界面活性剤の効果を可視化し、その仕組みについてまとめる自由研究です。まとめやすいワークシートを無料ダウンロードできます。
注意!石鹸以外のほとんどの洗剤に含まれている合成界面活性剤は、毒性が高い種類もあるので、小さい子供が扱う場合は注意が必要です!
↓実験の動機〜基本知識〜実験方法〜結果&まとめ
動機:
「どうして洗剤を使うと油汚れが落ちるの!?」という疑問。
タイトル:
「界面活性剤の効果」〜洗剤が布から汚れを落とす仕組みを調べる〜
基本知識(本やインターネットで調べる):
汚れを落とす成分=「界面活性剤」の4つの力
- 浸透作用…染み込みやすくする
- 乳化作用…本来は混じり合わないものを混合する
- 分散作用…汚れを散らばらせる
- 再付着防止作用…再び汚れがつかないようにする
界面活性剤の基本構造:
1つの分子の中に、「水と仲良しの部分」と、「油と仲良しの部分」があります。
界面活性剤の力で布についた油汚れを落とす仕組み:
1、油汚れの布に洗剤液が染み込み、界面活性剤の「油と仲良しの部分」が油に吸着して取り囲む。(浸透作用)
↓
2、「水と仲良しの部分」が水に引き寄せられ、油が布から引き離されて水と混ざる。(乳化作用)
↓
3、散らばった油は、再び布にはつかない。(分散作用)
これで布はキレイ♪(再付着防止作用)
ここまでの内容をまとめたPDFはこちら↓
界面活性剤のはたらき[PDFファイル]
では、具体的に汚れが落ちる様子&再付着しない様子を、実験で確かめてみます!
実験材料:
- ビニルカップ2個
- 洗剤 小さじ1
- 2cm四方の布2枚
- 2cm×10cmの布2枚
- クリップ(おもり)4つ
- ココアパウダー
- ラー油(色のついた油)
※洗剤は、洗濯用でも食器用でも大丈夫ですが、透明タイプで界面活性剤が入っているものを使用する必要があります。
実験方法:
- まずは、ビニルカップに水100mlずつ入れる。片方に洗剤を小さじ1入れ、マジックで目印をつけておく。(洗剤は、成分に界面活性剤が14%含まれているものを使用。使う量は洗剤の種類によって調整が必要)
- 布に錘のクリップをつける。
- ラー油みたいに色がついた油を布に数滴ずつたらす
- できるだけすぐにそれぞれのカップに入れて観察する。洗剤液の方をみると、どんどん布から油汚れが剥がれて上に上がって行きます!!!(入れるまでに時間がかかると、布に油が染み込みすぎてしまい、変化が綺麗に見えません。)
- 水の方は、ほとんど変化なし
- ↑ここまでが、浸透&乳化作用。
- ↓ここからが、分散&再付着防止作用。
- 布を取り出して、油を数的ずつ足す。割り箸でぐるぐるっと混ぜると、水は油がゴロッと浮いている感じで、洗剤液の方は油が小さい塊になって分散します。
- 水の方に、キレイな布を入れてフリフリして出してみると、、、。う。。。油がついて汚いですね。
- 同様に洗剤液の方に、キレイな布を入れてフリフリして出してみると、、、。お!汚れがほとんどついていない!!!
- これが再付着防止作用ですね。
- 生活に応用すると、、、油汚れの布を水だけをためた桶で洗うと、再付着してしまい、かえって他の部分に油汚れを広めてしまう結果になるのですね。
- 分散&再付着防止作用の追加実験。水と洗剤液にそれぞれ、ココアパウダーを投入してみました。(コップはそのまま使っています(^◇^;))
- 混ぜた時は、ほとんど見た目は変わりません。水の方が少し沈殿してるかな。洗剤液は、乳化作用によって均一に混ざって見えますね。
- 布を入れてフリフリして出してみると、、、違いは一目瞭然!!
- 再付着防止作用、おそるべし。どれだけ油や食べ物で汚れてても、これですすぎをすれば衣類はキレイさっぱりですね!
〜あとがき〜
簡単な実験なのに、非常に分かりやすい結果が出るので、家庭科や理科の授業で扱うと子供達が感動してくれます。もちろん、家でやってもめっちゃ感動!
↓記念に動画を撮っておきました♪短いですが(´∀`*)
※ちなみに、界面活性剤は英語で「surface active agent」または「surfactant」と表現されます。
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